こんにちは、大阪市中央区本町の自律神経専門整体、つくし鍼灸整骨院です！今日は、めまいの一種である「持続性知覚性姿勢誘発めまい」、略してPPPDについて解説します。
PPPDとは何か
PPPDは2017年に新たに認識されためまいの一種です。一度めまいを体験した後、急性の症状が改善したとしても、まるで雲の上を歩いているような感覚、ふわふわ感や頭がぼーっとする症状ががほぼ毎日、3ヶ月以上も続く症状を持つ疾患です。
めまいの症状が3ヶ月以上続く状態は一般的に「慢性めまい」と言われ、その主な原因としてPPPDが挙げられます。約40%の慢性めまい患者がPPPDと診断されると推測されています。
この疾患は、耳の病気によるめまい（器質的前庭疾患）やうつ病といった精神疾患から独立した、機能性の疾患と考えられています。臓器に明確な異常が見られないにもかかわらず、自覚症状が存在するのが特徴です。
PPPDの症状
PPPDの特徴的な症状は3カ月以上持続する浮動感、不安定感、非回転性めまいで、これらの症状は以下の状況で悪化します。
- 立つ、歩くといった行動
- 体が動かされる状況（エレベーター、エスカレーター、交通機関の乗車など）
- 複雑な模様や動きの激しい映像を見る
原因と誘因
私たちのバランス感覚は、耳（内耳）、目（視覚）、体（足の裏からの体性感覚）からの情報を小脳が統合して管理します。PPPDの発症は、先行するめまいが治まった後でも、微細な刺激に対して脳が過敏に反応し続けてしまうことが原因と考えられています。
また、PPPDの発症前には、末梢性または中枢性の前庭疾患、精神疾患、内科疾患などが存在することがよくあります。
PPPDの治療方法
PPPDは比較的新しく定義された疾患であり、まだ完全には確立された治療法が存在しません。急性期のめまいに対する薬物（抗めまい薬や血流改善剤、ビタミン剤など）は効果が限定的で、現在、抗うつ薬による薬物治療、前庭リハビリテーション、行動認知療法などが有効であると報告されています。
薬物治療
抗うつ薬であるSSRIやSNRIの服用が行われます。しかし、これらの薬物は吐き気、眠気、めまい、ふらつきなどの副作用や、薬を中止した際の離脱症状が問題となることがあります。このような場合、他の方法に切り替える場合もあります。
前庭リハビリテーション
私たちは耳、目、足の裏からの刺激を小脳に集め、バランス感覚を保っています。PPPDでは特に目と体からの情報伝達が乱れ、めまいやふらつきが生じます。そのため、目や頭、足を動かす前庭リハビリテーションが行われることで、情報伝達の乱れが修正され、めまいやふらつき症状の改善に繋がるとされています。
認知行動療法
認知行動療法は、人々の思考パターンを改善し心地よい状態へ導く精神療法の一つです。この療法はストレス対処法としても用いられ、ストレスによる悲観的な思考や問題解決能力の低下を改善します。PPPDでは、めまいやふらつきなどの症状やその誘因について日記に記入し自覚することで、患者自身が積極的に症状に対処する方法を見つける手助けをします。
姿勢、自律神経の改善
ストレスの影響の受けやすさや、体のバランスをとる際行われる筋肉の作用を正常に働かせるためには姿勢や体の健康、バランスの取れた身体づくりが有効な場合があります。精神状態やストレスに対してどのように考えるか、前向きになるかネガティブになるかなどは姿勢の影響も関係してきます。体のバランスが取れている状態は心のバランスもとりやすくなるという事です。
PPPDの予防と注意点
PPPDの管理と予防には以下の点に注意することが有効です：
規則正しい生活
不規則な生活は自律神経機能を乱す可能性があります。規則正しい生活リズムを保つことが全般的な健康維持に役立ちます。
神経質にならない
回転性のめまいが改善しても、ふらつきはしばらく続くことがあります。過度に神経質にならず、治療を続けることが重要です。また、日常生活を過ごすためには完全な回復ではなく、80%程度の回復を目指すことも一つの方法と言えます。
終わりに
今回はPPPDについて解説しました。持続性知覚性姿勢誘発めまい（PPPD）は新しい概念のめまいで、患者さんの中には未だに理解されていない方も多いかと思います。しかし、適切な治療と対策をとれば改善が可能です。何か気になることがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
次回の更新もお楽しみに！大阪市中央区本町の自律神経専門整体、つくし鍼灸整骨院でした。
